バンドウイルカに育てられたゴンドウクジラ
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【動画】イルカがクジラを育てる、しかも3年、初
子は群れになじもうと努力、母親は寛容だった
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/080100451...
ハンドウイルカの母親は子煩悩だ。授乳し、守り、一緒に遊びながら、長いときは6年もかけて育てる。
このほど、野生のイルカがクジラの子どもを育てるという、知られている限り初の例が、最新の研究で明らかになった。
観察結果は6月25日付けで学術誌「Ethology」オンライン版に報告された。
2014年、仏領ポリネシア沿岸海域で、ハンドウイルカの母親が、見慣れない姿をした幼いオスを世話しているのを研究者たちが発見。
母親自身の子と思われるイルカも一緒だった。
ハンドウイルカなら口吻がほっそりしているが、生後1カ月とみられる謎の子どもは口吻が短く、鋭くもなかった。
やがて、みなしごの正体はゴンドウクジラの仲間、カズハゴンドウだと科学者たちが特定。種も属も別の動物だった。
「こんなまれな現象を目撃できて、本当に興奮しました」。
研究結果をまとめた論文の筆頭著者、パメラ・カーゾン氏はそう話す。
カーゾン氏は仏領ポリネシア、ティピュタに本部を置くポリネシア海洋哺乳類研究会(GEMM)に所属している。
野生動物が血のつながらない子どもを育てることは珍しく、あってもたいていは同じ種で、血縁的に近い関係で起こる。
ほかに、属も種も違う孤児の世話をするのが学術的に記録されたのは、オマキザルの集団がマーモセットの赤ちゃんを世話していた2006年の例しかない。
この事例を観察したブラジル、サンパウロ大学の霊長類学者、パトリシア・イザー氏は、「絶句するほど驚きました」と振り返る。
イザー氏は今回の研究に関わっていないが、「動物の世界での『養子』を世話する行為に、科学者たちは関心を寄せています。
かつては人間独自の行動だと考えられていたからです」と話している。
先にいた「姉」を押しのける行動も
カーゾン氏らのチームは、2種から成るイルカの一家を陸上や船上、水中で写真や映像に収めた。
調査は、約30頭のハンドウイルカの群れを対象に2009年から行われた長期研究の一環だった。
当初、この母親にはすでに赤ちゃんがいた。
だが、そこへ現れた独りきりの幼いカズハゴンドウは、新しい母親のもとをほとんど離れずについてまわり、3頭が一緒に泳ぐ姿が頻繁に目撃されるようになった。
普通、イルカの母親は1度に1頭だけを子育てするため、異例の光景だった。
一家の様子は、微笑ましいときばかりではなかった。
カズハゴンドウは、「姉」を母親のお腹の下の定位置から押しのける行動を何度も見せた。
カズハゴンドウは、ハンドウイルカの親子に加わる努力をしただけでなく、この親子が属している群れになじむ方法も見出した。
「カズハゴンドウは、ハンドウイルカたちとまったく同じように振る舞っていました」と、カーゾン氏は話す。
例えば、ハンドウイルカの子どもたちと決まって行動を共にし、彼らの大好きな遊びにまで加わって、波の中で泳いだり、波に飛び込んだりしていた。

子は群れになじもうと努力、母親は寛容だった
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/080100451...
ハンドウイルカの母親は子煩悩だ。授乳し、守り、一緒に遊びながら、長いときは6年もかけて育てる。
このほど、野生のイルカがクジラの子どもを育てるという、知られている限り初の例が、最新の研究で明らかになった。
観察結果は6月25日付けで学術誌「Ethology」オンライン版に報告された。
2014年、仏領ポリネシア沿岸海域で、ハンドウイルカの母親が、見慣れない姿をした幼いオスを世話しているのを研究者たちが発見。
母親自身の子と思われるイルカも一緒だった。
ハンドウイルカなら口吻がほっそりしているが、生後1カ月とみられる謎の子どもは口吻が短く、鋭くもなかった。
やがて、みなしごの正体はゴンドウクジラの仲間、カズハゴンドウだと科学者たちが特定。種も属も別の動物だった。
「こんなまれな現象を目撃できて、本当に興奮しました」。
研究結果をまとめた論文の筆頭著者、パメラ・カーゾン氏はそう話す。
カーゾン氏は仏領ポリネシア、ティピュタに本部を置くポリネシア海洋哺乳類研究会(GEMM)に所属している。
野生動物が血のつながらない子どもを育てることは珍しく、あってもたいていは同じ種で、血縁的に近い関係で起こる。
ほかに、属も種も違う孤児の世話をするのが学術的に記録されたのは、オマキザルの集団がマーモセットの赤ちゃんを世話していた2006年の例しかない。
この事例を観察したブラジル、サンパウロ大学の霊長類学者、パトリシア・イザー氏は、「絶句するほど驚きました」と振り返る。
イザー氏は今回の研究に関わっていないが、「動物の世界での『養子』を世話する行為に、科学者たちは関心を寄せています。
かつては人間独自の行動だと考えられていたからです」と話している。
先にいた「姉」を押しのける行動も
カーゾン氏らのチームは、2種から成るイルカの一家を陸上や船上、水中で写真や映像に収めた。
調査は、約30頭のハンドウイルカの群れを対象に2009年から行われた長期研究の一環だった。
当初、この母親にはすでに赤ちゃんがいた。
だが、そこへ現れた独りきりの幼いカズハゴンドウは、新しい母親のもとをほとんど離れずについてまわり、3頭が一緒に泳ぐ姿が頻繁に目撃されるようになった。
普通、イルカの母親は1度に1頭だけを子育てするため、異例の光景だった。
一家の様子は、微笑ましいときばかりではなかった。
カズハゴンドウは、「姉」を母親のお腹の下の定位置から押しのける行動を何度も見せた。
カズハゴンドウは、ハンドウイルカの親子に加わる努力をしただけでなく、この親子が属している群れになじむ方法も見出した。
「カズハゴンドウは、ハンドウイルカたちとまったく同じように振る舞っていました」と、カーゾン氏は話す。
例えば、ハンドウイルカの子どもたちと決まって行動を共にし、彼らの大好きな遊びにまで加わって、波の中で泳いだり、波に飛び込んだりしていた。


ハンドウイルカのメスは、争いの際に別種の子どもを短期間「さらう」ことがある。
だが今回、養子となったカズハゴンドウの積極性と、母親の献身ぶりを見ると、決してさらってきたのではないことがわかる。
今回の場合、母親はずいぶん長い期間をこの孤児とともに過ごした。
2頭が一緒にいる様子は3年近くにわたって目撃され、カズハゴンドウが離乳したと思われる2018年4月ごろに姿が見られなくなった。
母親の実の子が1歳半で姿を消したあとも、2頭の関係はずっと続いた。
ハンドウイルカのメスは、カズハゴンドウに授乳しているのも2回確認されている。
これは、母イルカがかなり労力をつぎ込んでカズハゴンドウを育てていたことを示すと、
スウェーデン、ルンド大学の行動生態学者で、今回の研究には関わっていないカースティ・マクラウド氏は話す。
「哺乳類にとって、母乳を作り出すのはかなりのコストがかかります。とても貴重な資源なのです」
カズハゴンドウの子どもが完璧なタイミングで現れたということです。
母親が自分自身の子どもとつながりを築くため、受容力がとても高くなっている時期でした。
それで、この珍しい光景が生まれたのでしょう」とマクラウド氏。
性格も要因の1つかもしれない。この母イルカは、この海域のダイバーたちに寛容なことで以前からよく知られていた。
普通、ハンドウイルカはよその子どもに対して攻撃的になるが、彼女はおおらかな性格ゆえに、そうした行動に出なかった可能性がある。
そして、カズハゴンドウ自身の行動も欠かせない。
ハンドウイルカの一家に加わり、同じように振る舞おうという決意が、うまく受け入れられる上で重要な役割を果たしたと研究者たちは考えている。
「若いイルカたちの行動には、驚くほどの柔軟性があることがわかります」とカーゾン氏は話している。
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