セバスチャン・コシオバさん(25)は、両親が床に就いた後、家族で住むアパートの3番目の寝室にこもる。彼が
実験室を作った場所だ。
コシオバさんは、空調をコントロールするファンと、イーベイで入手した機器の音が響くなかで作業を続けてお
り、これがいつか稼ぎの多い仕事になるよう夢見ている。彼は「植物ハッカー」だ。
「誰も見たことがないような花を作りたい」と話すコシオバさんは、ニューヨークのクイーンズの自宅で最近取材
に応じた。ショートパンツとTシャツ姿の彼は、「マツの木とナスの特徴を合わせたら何が起こるか」に興味を
持っている。バラを青くしたいとも思っているという。
コシオバさんは、世代的にもっと早く生まれていたら、コンピューターのプログラムを書くことに没頭していたか
もしれない。そうならなかった彼は今、ミレニアル世代のニッチ分野の最前線に立つ。つまり、自前のバイオエン
ジニアリング(生体工学)だ。彼はキーボードではなく、自家製の「ジーン・ガン(遺伝子銃)」を使う。タング
ステンの微粒子を使って植物に遺伝物質を撃ち込む装置だ。
植物ハッカーや合成生物学のスタートアップ(新興企業)の一群は現在増えつつある。彼らは奇妙で不思議な生物
を作り出すことを目標とする。光る植物、香りのするコケ、土にビールを注ぐと色が変わる花などだ。
このような植物を作り出すことは以前から可能ではあったが、その研究や実験には時間と相当多額のカネがかかっ
た。初の光る植物は、遺伝子学の理解を深めようとしていた科学者らによって考案された。
アントニー・エバンスさん(35)は、植物デザイナー志望の人々向けのプラットフォームとして、シリコンバレー
にTaxaという企業を昨年立ち上げた。彼は、こういった創作が幅広いムーブメントの一環だと述べる。
彼は「遺伝子工学が受け入れられて身近になり、10代の若者が植物を考案して創るという将来が予見できる。今の
子どもたちがモバイルアプリを作るように、そうした植物を創り出すのだ」と話す。(以下ソース)
http://jp.wsj.com/articles/SB1015220146222536377...
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