大きな脳を持つ哺乳動物は、賢さで他の動物に勝る傾向があるが、一方で絶滅リスクも高いとの研究結果が
17日、発表された。脳の灰白質の多さが何らかの代償を伴うことは、科学者らの間で長年知られていた。
例えば、大きな脳に血液を供給することは、多大なエネルギーを必要とする。
脳の大きさと知能の間に直接の相関関係は存在しないとしても、神経細胞の集合体が大きいことは通常、
有利な特質とみなされる。人間の脳は動物界で最大ではない。これは体の大きさとの比率で見ても同様だ。
科学者らによると、容積の大きな頭蓋骨を持つ哺乳動物は、寿命が長い傾向もあるという。
■巨鳥ドードーや恐竜と同じ運命
このたび、米スタンフォード大学のエリック・アベルソン教授は、脳の大型化と絶滅リスクとの間に関連が
ある可能性があるとの推論を立てた。
この仮説を検証するため、アベルソン教授は、アメリカ大陸に生息する160の異なる種に属する動物の博
物館標本1650体あまりを調査した。
調査では、げっ歯類ほどの小型のものからバッファローほどの大型のものまでの、さまざまな動物の頭蓋骨
と体の大きさが測定された。水生動物は調査の対象に含まれなかった。
次に、国際自然保護連合が維持している世界の絶滅危惧種リストで、それらの動物がどのレベルに分類され
ているかを調べた。このいわゆる「レッドリスト」の分類は、絶滅の脅威のレベルに応じて区分されている。
さらにアベルソン教授は、世界各地に生息する動物600種以上に関する一連のデータも調べた。
調査の結果は驚くべきものだった。より大きな脳を持つ動物ほど、巨鳥ドードーや恐竜と同じ絶滅の運命を
たどる危険性が高くなるという、明確な傾向が示されたためだ。
米大陸では、体に対して、脳のサイズが相対的に大きな哺乳動物に、この関連性が特に顕著にみられたという。
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_all&k=2016021903384...
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