東芝は人工知能(AI)の先端技術「深層学習(ディープラーニング)」を実行できる半導体チップを開
発した。人間の脳の神経細胞やその結合の機能をまね、1つのチップ上で膨大なデータを少ない消費電力
で学習できる。チップを監視カメラや自動運転車などに組み込めば、現場の情報から深層学習ができるよ
うになる。不審者や歩行者をいち早く発見したり、道路状況に応じて危険を回避したりするのに使える。
実用化は数年後になる見通し。
深層学習では大量のデータを使うため、1つの半導体チップでは処理しきれず、複数の高性能コンピュー
ターを使う必要がある。並列処理で大量のデータを計算できる画像処理用半導体のGPUを使う手法もあ
るが、自動車やカメラなどの機器に組み込むのは難しい。
開発した半導体は従来の大規模集積回路(LSI)のようにCPU(中央演算処理装置)と記憶装置など
を別々に作って配線するのではなく、演算と記憶を兼ね備えた脳の神経細胞に相当する回路を多数作る。
データの特徴を見つけて学習する際に、連続したアナログ信号として処理する。個々の回路は複雑な計算
ができないが、チップ全体では脳の神経回路のように情報を処理できる。
計算の精度は電気信号を「0」「1」のデジタルで処理する現在の半導体よりも劣る。大量のデータを処
理して学習することで、結果にはほとんど差は出ないという。
東芝は新技術を使って、約3万2千個の回路を持つ縦横1.9ミリメートルの半導体チップを試作した。
1ワットで1秒間に48.5兆回の演算ができる。
脳の仕組みをまねた半導体の回路は理論上、従来のプロセッサーに比べ消費電力を従来の数千分の1以下
に抑えられる。米IBMなどが2014年に脳型チップを発表した。方式は違うが、東芝はさらに消費電力
を抑えられるとみている。(以上、ソースより抜粋)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09215870W6A101C1...
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