NASA:推進剤不用なEmDriveの有効性を確認、衛星用電気推進機関に革新

001 2016/11/11(金) 21:24:31 ID:F/60yKAYAE

推進剤がなくても電力の作用だけを利用して宇宙機を推進させることができるEmDriveについて、NASAの研
究チームによる真空チェンバーを使った実験結果から、実際に推力を得られることが明らかとなった。

EmDriveは、2001年にイギリスのSatellite Propulsion Research社が発表した新推進機関で、電力を利用して
マイクロ波を放出することで推進力を得ようという考え方に基づくものとなる。その後、中国の研究者が、
2.5kWの電力を使用することで720mNの推力を得ることに成功したとする実験結果を発表したことから改め
てEmDriveは研究者の間で脚光を集めていた。

イオンエンジンなどの従来型電気推進機関の場合であってもアルゴン、キセノン、クリプトンなどの推進剤
で、推進剤なしで、推力が得られるというEmDriveの基本概念は、ニュートンのエネルギー保存の法則に反す
るものとなるため、学界ではその効果については懐疑的な見方が優勢となっていた。

今回、EmDriveの実証研究を行ったのは、NASAのJohnson Space Centerの先端推進機関研究部門のHarold
G. Whiteを中心とする研究チームとなる。

今回、NASAの研究チームは、実際にEmDriveが謳われている通りに推進剤なしでも推力を得ることができる
のかどうかを、EmDriveの試作機を製作し、それをNASAの推進器実験用の真空チェンバー内で動作させるこ
とにより、実験を行った。

その結果、EmDriveは真空内では1.2 millinewtons per kilowattの比推力を得られることが判った。

実用イオンエンジンの場合の比推力は大体、60 millinewtons per kilowattとなっていることを考慮すると
EmDriveで得られる推力は既存の電気推進機関の50分の1ということとなるが、EmDriveのこの特徴は、大量
の電力の供給さえ可能になれば、既存の電気推進機関を上回る推力を得られるということにもなる。

人工衛星は最近になり、化学燃料によるスラスタを取り止めて、イオンエンジンを搭載したオールエレクトロ
ニクス型のものへと衛星基幹バスが切り替わる動きが続いている。

EmDriveが実用化された場合、イオンエンジン用の推進剤の搭載も不必要ということになり、人工衛星の寿命
を飛躍的に向上させることができ（以下ソース）

http://www.technobahn.com/articles/201611092009200000.ht...