エグジット(ベンチャービジネスが成功して株式公開、株式譲渡、経営陣による会社の買収が行われるこ
と)を27も抱えたVC(ベンチャー・キャピタル)がステルスであることは、めったにない。それどころ
か、今日のVCの多くは、そんなにたくさんのエグジットを経験していない。しかし、今日(米国時間5/8)
までステルスだったDell Ventures(正式名: Dell Technologies Capital)は、各年1億ドル(114億円)とい
う着実なペースで投資を続けてきた。同グループは、マーケットが何を買いたがっているのかを、よく知っ
ている。これまで同社では、70あまりの投資案件のうち、その37%近くがエグジットした。もちろん、そ
の結果はさまざまだが。
今日まで、Dellの投資のうち、エンタープライズ方面で話題になり名前が知れたのは、ごくわずかだ。中で
もいちばん目立ったのは、NutanixとJoyentだろう。前者はクラウドコンピューティング企業で、昨年40
億ドルでIPOしたが、最近は出血気味で、その価値はほぼ半減した(ロックアップ期間が終わった途端)。
Joyentはクラウドサービス企業で、1億3100万ドル(149億円)を調達したが、その後1億7000万ドル
(193億円)でSamsung Electronicsへ売られた。
とはいえ、Dellのエグジットだけで計13億ドル(1500億円)に達している。同グループはそのスタート
アップのポートフォリオに、企業のVC部門が従来から持つ利点を、うまく持ち込んでいる。それらは、
データへのアクセス、戦略的営業チャネル、そしてエンジニアリングとリサーチ方面のさまざまなコネだ。
さらにDell Technologies Capitalは、マーケットに対して中立的(偏らない)である点でも他のVCとは差
別化される。とくにクラウドが支配するエンタープライズでは、マーケットリーダーであるGoogleや
Microsoftからお金を取るやり方は、自分の活動を制限することに近い。
Dell Technologies CapitalのトップScott Darlingは、ほかの企業のVC部門と同社が重要な点で違うのは、
そのフラットな構造だ、と言う。DarlingはCEOのMichael Dellとたえず連絡を取り合うし、投資について
も率直に差し向かいで議論する。
なぜ今日、ステルスを脱けるのか、と問うと、Darlingは、現在の規模では、身を隠すための費用や活動が
たいへんすぎるし、その意味も価値もない、と答えた。
以下ソース
http://jp.techcrunch.com/2017/05/09/20170508dell-techno...
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