三浦半島沖で、海藻類を食べ尽くして魚の産卵や生育環境を悪化させる「磯焼け」被害を引き起こし
ているムラサキウニを捕獲し、地元特産のキャベツで養殖する実験を三浦市の県水産技術センターと
京急油壺マリンパーク、横須賀市の県立海洋科学高校が共同で進めている。海の環境改善と地域ブラ
ンド品開発という“一石二鳥”を目指した全国初の取り組みで、地元の漁業、農業関係者らを招いた試
食会での評判も上々だ。
《三浦キャベツエサに養殖》
三浦半島では10年ほど前から、温暖化の影響でムラサキウニなどのウニ類や南方系の魚「アイゴ」
が増え、磯焼けでアワビやサザエの漁獲量が減るなどの被害が問題となっていた。ムラサキウニは実
入りが悪いため漁の対象にならず、漁業者が駆除していたという。
ウニは雑食性で知られており、漁業者の苦境を知った同センターは2015年度から、大根やブロッ
コリー、ニンジンなどを餌に養殖を始めた。
中でも特産のキャベツは、80匹のウニが1玉をわずか3日間で平らげるほどの好物と判明。昨年度
は食用部分の生殖巣が成熟する4〜6月にかけ、売り物にならずに廃棄されるキャベツを農家から引
き取って与えたところ、実の重さの割合が、平均で実験前の2〜3%から12・5%に増えて十分食
べられる大きさになった。
味も天然に比べてえぐみが減り、甘みが増した。見た目もきれいな黄色になり、流通する食用ウニと
遜色なかったという。
今年度は、新たに大量飼育の可否や養殖時期の調整のほか、肉と野菜を組み合わせるなど様々な餌の
やり方を試している。7月からは、うま味成分の分析を始めるとともに、希少で高価なアカウニ養殖
に応用する実験も始める。
同センターなどは、三浦半島の新たな名物として数年以内に観光客に安く提供する態勢作りを目標に
している。6月28日に同パークで行った試食会には、二つ割りの殻付きウニやプリン、うにご飯が
用意され、参加者が濃厚な風味を確かめていた。
同センターの臼井一茂主任研究員は「世界中で温暖化が問題となっており、エビ養殖のように外国で
もウニの養殖が盛んになるかもしれない」と期待を込める。
以下ソース
http://www.yomiuri.co.jp/local/kanagawa/news/20170711-O... キャベツに群がるウニ
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