世界に広がるプラスチック汚染との闘いで、突破口となる可能性を秘めた物質が発見された。プラスチック
を分解する酵素だ。
今回の発見は将来的に、環境内に数百年間残留するはずの何百万トンものプラスチックをリサイクルする解
決策につながるかもしれない。ペットボトルをはじめ、食品容器、服の繊維などの製造に用いられるポリエ
チレンテレフタレート(PET)を分解できるこの酵素を発見した経緯は、4月17日付けの学術誌「米国科学
アカデミー紀要(PNAS)」の論文に書かれている。
■偶然の発見
英ポーツマス大学のジョン・マギーハン教授と米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)のグレッグ・
ベッカム氏は、ある酵素の働きを解明しようと、結晶構造を詳しく調べていた。その最中に、2人が率いる
チームは偶然、自然界で得られたものよりも、プラスチックを強力に分解する新たな酵素を作り出した。
チームは現在、酵素の効果をさらに高めて、産業レベルで使えるようにする研究を続けている。これが成功
すれば、プラスチックをまたたく間に分解できるようになるかもしれない。(参考記事:「重金属を食べる
“スーパーミミズ”発見」)
マギーハン氏は言う。「プラスチック問題には、誰しも大きな貢献ができますが、この『脅威の物質』を作
り出したおおもとである科学コミュニティは、今こそ、真の解決策のためにあらゆる技術を投入すべきです」
■酵素の進化
ブレイクスルーが起こったのは、日本のごみリサイクル場で発見された、プラスチックを分解する酵素の構
造を調べていたときだった。同酵素がどのように進化したのかを解明し、さらなる改良が可能かどうかを確
かめるためだった。ところがその検証の最中に、偶然にもPETをさらに効率よく分解できる酵素ができてし
まったのだ。
以下ソース
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/042400186...
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