線虫という小さな生物がヒトの尿の臭いからがんを発見する検査方法の研究が進められています。
日立製作所とベンチャー企業が共同で本格的な臨床試験に乗り出し、2020年の実用化を目指すと
発表しました。
日立と東京のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」は、体長1ミリ程度の生物、
線虫を使ってがんを発見する検査方法を、3年前から研究しています。
この検査方法は、犬に匹敵する嗅覚を持つという線虫が、がん患者の尿には近づき、健康な人の尿
からは遠ざかる動きをするのを利用し、ステージ0からステージ1という早期がんを発見できる確
率をおよそ90%まで高められるのが特徴だとしています。
これまでは顕微鏡を使って線虫の動きを人が1つずつ数えて、がん患者かどうかを判定していたた
め、検査に時間がかかるのが課題でしたが、今回新たに、線虫の分布を画像で解析して自動で調べ
る装置を開発し、検査時間を大幅に短縮できるようになったということです。
両社は国内外の17の医療機関や大学と本格的な臨床試験に乗り出し、2020年の実用化を目指すと
しています。
ベンチャー企業の広津崇亮代表取締役は「検査費用は数千円のレベルで済む。早期発見できる確率
が飛躍的に上がるとみている」と話しています。
◆“発見の確立 飛躍的に高まる”
線虫は線形動物とも呼ばれ、土の中や海中に生息するものや人などに寄生するものなど、さまざま
な種類が自然界にいます。
がん検査に使う線虫は、シーエレガンスという主に土の中に生息する種類です。
目を持たない代わりに、犬に匹敵する嗅覚で餌を見つけたり天敵を避けたりします。
線虫ががん患者の尿に集まるのは、大腸菌やバクテリアといった線虫が好む餌の臭いと、がん細胞
から出る物質の臭いが似ているためと見られています。
ステージ0からステージ1という早期がんの場合、腫瘍マーカーと呼ばれる血液を使ったがんの検
査では発見できる確率が10%程度ですが、線虫を使った検査ではおよそ90%まで飛躍的に高まる
のが特徴だとしています。
以下ソース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180704/k1001150842...
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