テスラの苦境を読み解く「創世記」からの歴史(前編)


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001 2018/11/03(土) 21:35:33 ID:7bHSH/9EpM
では、テスラの歴史を振り返ってみよう。

まずは、創世記から見ていく。

2003年、電気系のエンジニアだったマーチン・エバーハード氏らがテスラを設立。共同出資者のひとりとして、電子決済システム「ペイパル」の創業者のイーロン・マスク氏も参加した。

エバーハード氏はEV(電気自動車)の専門家ではなく、あくまでも新規事業としてEVに可能性を見いだした人物。そのため、EVの基礎技術については、ロサンゼルス郊外にあるACプロパルジョンと技術提携をした。

正確に言えば、エバーハード氏が個人的にEV購入を考えてACプロパルジョンを訪れ、自らもEVメーカーを創業しようと思いついたと、ACプロパルジョンの元幹部が証言している。

ACプロパルジョンは、EV開発者のアラン・ココーニ氏が設立した企業。ココーニ氏はアメリカ・ゼネラルモーターズ(GM)が1990年代に進めたEV計画「プロジェクトインパクト」を推進した人物で、のちに量産車「EV-1」の開発も行った。

また、ACプロパルジョンには台湾の投資家が参加していた関係で、台湾や中国・上海などの企業に電動システムの開発を依頼していた。

そのため、テスラ創業にあたり、テスラとACプロパルジョンはEVの大量生産を見越して電動システムの製造者を探した。その過程で、台湾の経済部(日本の経済産業省に相当)を協力で台中にある富田電機(FUKUTA MOTOR)にたどり着く。

当時のことについて、富田電機の創業者、張金峰氏は「2005年にテスラと業務委託契約を結んだが、当初は安定的な性能を発揮する製品に仕上げるまで、われわれはテスラ案件で大きな赤字になった」と証言している。

また、モーターを制御するインバーターについては、台湾の致茂電子(CHROMA)が担当して富田電機も自社でEV試験車を走らせながら、テスラ向けの開発を進めた。
1台当たりに数千本のリチウムイオン二次電池

蓄電池については、ACプロパルジョンが考案した、パソコン向けの円筒型リチウムイオン二次電池「18650」を大量に搭載する手法をとった。2000年代後半、実際に18650を電池パックに積み込む作業を見たが、EV1台当たり数千本に対応するのはかなりの時間と労力を要しており、大量生産にはまったく向かないと感じた。

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002 2018/11/03(土) 21:38:19 ID:7bHSH/9EpM
18650採用の理由について、ACプロパルジョンの元幹部は「価格が安く、性能が安定していたからだ」と語っている。当初は、日本や韓国などから18650の時価を考慮しながら業者を通じて購入していた。

車両については、エバーハード氏の個人的な趣味で、英国ロータスの小型スポーツカー「エリーゼ」を選択した。ロータスとの交渉の末、車体は英国から、また車体の外装部品はフランスからアメリカに輸入することになった。

2000年代半ばから後半、エバーハード氏らテスラ創業メンバーは世界各国のメディアに頻繁に登場した。未来のクルマ・EVのベンチャー企業として大々的に取り上げられた。

●量産計画は大幅遅れ

しかし、量産計画は大幅に遅れた。最大の理由は、電池パックの開発に時間を要したことだ。ロータス「エリーゼ」は車高が低いため、ACプロパルジョンがテスト車としていた小型ミニバンのトヨタ・サイオン「xB」のように電池パックを車体の床下に配置することが難しかったのだ。

大きな電池パックを搭載できうる唯一の場所が、運転席と従来のエンジンルームとの間にある、燃料タンクなど向けの縦長のスペースだった。ここに数千本の18650を詰め込んだ。具体的には、数百本単位でモジュールを作り、モジュールごとに温度などの管理を行う制御システムを取り付け、モジュール全体をひとつの電池パックとした。さらに、発熱を抑えるために電池パック周辺にオイルを流して冷却するシステムも搭載した。

こうした大量の18650をEV用として搭載することについて、自動車メーカーや自動車部品メーカー関係者らからは「走行距離が長いEVの量産向けとしては非効率的だ」と否定的なコメントが多く聞かれた。また、18650の基礎開発を行ったソニー関係者のひとりも「18650はEVでの利用を想定しておらず、EVでは別の形式のリチウムイオン二次電池を採用するべきだ」との見解を示した。だが、その後、パナソニックはテスラ向けにEV専用の18650を開発したことで、テスラによる18650電池パックの信頼性は一気に上がることになる。

電池パックの量産体制をなんとか整えたテスラだったが、バックオーダーをかかえる中で経営は逼迫し、エバーハード氏など創業時の役員が責任を取って辞任。その後、何度か社長が変わるが経営の立て直しは進まなかった。

そして2008年、アメリカのメディアは、テスラが連邦破産法第11条を申請する可能性があると報じるようになった。

その時点で、その後のテスラの大躍進を予想する者は誰もいなかった。

(後編に続く)※後編はまた後日

https://toyokeizai.net/articles/-/24643...

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003 2018/11/04(日) 05:01:31 ID:IGONUJJtsQ
ちなみに10月31日の四半期決算発表以来、「苦境」かどうかには諸説出てきてる
(手のひら返しとも言う)

たとえばこれ

【Forbes誌】誰もが見誤ったテスラの実力 最新決算でついに明らかに
https://forbesjapan.com/articles/detail/23724?n=1&e=23...

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004 2018/11/04(日) 07:13:23 ID:MpyeUJBplU
やっぱりデザインは欧州車に軍配だなぁ

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