理研、フッ化水素酸を使い直径30μmの極小ガラスレンズ製造


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001 2019/12/30(月) 17:59:42 ID:xSZFgNbvSg
 理化学研究所(理研) 生命機能科学研究センター 集積バイオデバイス研究チームは、吹きガラスの原理を利用して直径30μm(マイクロメートル)〜1mm程度の微小なガラス製レンズ(ドーム構造)を作製する技術を開発した。

 プラスチックを材料としたレンズは鋳造法を用いれば大量製造が可能なものの、ガラスに比べて耐久性や透明度の点で劣っており、環境負荷の問題とも相まってガラス製レンズの需要が高まっている。

 実験では、フッ化水素酸を使ってガラス基板の一部を溶かし、浅く微小なくぼみを形成。その上からカバーガラスを重ねて仮接合し、ガラスの内部に空洞を作り出す。この基板を真空引き(減圧)しながら加熱すると、空洞部分が熱膨張しガラスがドーム状に膨らむとともに、2枚のガラス板が接合される。目標の形状に達したら加熱を止めて、真空引きを引き続き行ないながらゆっくりと冷却し、ガラスの微小ドーム構造を作り出す。

 できあがったドーム構造は、熱膨張によって中央部のガラス壁が少し薄くなっており、二重の凹レンズ(凹メニスカスレンズ、縮小レンズ)として機能する。また、ドーム構造の空洞部分には空気より屈折率の大きい充填液を入れることで、両凸レンズ(拡大レンズ)としても利用可能。この場合は純ガラス製のレンズではなくなるものの、物理的強度や科学的耐性といった特性はガラス製のものと同等に保たれる。

 熱膨張時に割れるのを防ぐため、くぼみ部分以外のガラスの厚さを同一にする必要があるが、その条件下であればガラスの厚さを変えて変形量を調整可能。数量や形状、大きさなども自在に調整できるだけでなく、均一に製造したり、充填液を入れるための流路もつけらるため、広い範囲で応用できるとしている。

 さらに、作製したドーム構造がガラスレンズとして機能するかを定規目盛の観察を使って調査。充填液を用いない場合は目盛りの縮小が、ミネラルオイルを充填した場合は目盛りの拡大がそれぞれ確認され、前者の場合は最大0.61倍の縮小、後者の場合は最大1.65倍の拡大効果があることも分かった。

 最後に、作製したガラス製レンズが高温や強酸、有機溶媒中でも使用可能かを検証。充填液の有無にかかわらず、ホットプレートで300℃以上に加熱した場合や、硫酸(強酸)やアセトン(有機溶剤)の中に入れた場合でも、ガラスとしての特性が発揮され、レンズとして正常に機能することが確認された。

 今回開発された手法を用いると、短時間で高精度かつ容易に、長期的に安定で極端な環境下でも利用できるガラス製微小レンズを大量生産することが可能になり、さまざまな工業用途に応用が期待される。研究チームでは、以前に開発したマイクロ流体チップや生体試料分析などの研究も進めており、マイクロ流路にも組み込める今回のガラス製レンズはバイオ分析などの分野にも有用であるとしている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191227-00000103-impress...

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010 2019/12/31(火) 19:40:53 ID:.hvVLi.4zg
別に日本が経済制裁しているわけでもないからな

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