パワーデバイス向け酸化ガリウムの研究開発は、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT : National Institute of Information and Communications Technology)の東脇正高(ひがしわき まさたか)氏と京都大学の藤田静雄(ふじた しずお)教授、タムラ製作所の倉又朗人(くらまた あきと)氏の3名からはじまったと見られる。
次に、酸化ガリウムの理論的な性能、すなわち将来への期待について説明しよう。パワーデバイスの理論的な性能を定量的に評価する指数(性能指数)を比較すると、酸化ガリウムはシリコンの3,000倍、炭化ケイ素の6倍、窒化ガリウムの3倍と高い。これは、パワーデバイスの理論的な性能整数として最近ではひんぱんに使われている「バリガの性能指数((Baliga’s FOM(Figure of Merits))」で評価した値である。