新型コロナの発症・重症化の予防に大きな効果を発揮してきたファイザー(/ビオンテック)とモデルナの「mRNAワクチン」。実際に、これらワクチンの接種を受けた米国の医療従事者ら数千名を対象とした最近の追跡調査では、どうやらモデルナ製の方が予防効果やその持続性の点においてファイザー製に勝っていることが分かってきた。
まず、米NEJM(New England Journal of Medicine)に掲載された調査結果によれば、ファイザー製ワクチンの発症予防効果が88.8%に対し、モデルナ製では96.3%に達した。いずれも2回目の接種から3~8週間後(2ヵ月以内)に確認された数値である。
また、米CDC(疾病対策予防センター)の調査結果によれば、発症してから入院に至る重症化の予防効果は、ファイザー製ワクチンでは2回目の接種から約4ヵ月後には91%から77%へと低下するのに対し、モデルナ製ではほとんど低下が見られなかったという。
両ワクチンとも、基本的には「mRNAワクチン」と呼ばれる同一種類の医薬品である。2020年に米国で実施された臨床試験では、ファイザー製ワクチンの発症予防効果が95%、モデルナ製は94%だった。
実は両ワクチンとも、同一の特許技術に基づいて開発されたため、臨床試験の結果がほぼ同じになるのは、ある意味当然とも見られた。
米国では、ファイザー製ワクチンはモデルナ製よりも数週間早く使用が始まったため、より多くの高齢者や基礎疾患のある人たちに接種された。これらの人たちでは、ワクチンによる免疫力が比較的速やかに低下する傾向があるので、これが今回の調査結果に反映されたのかもしれないという。
仮に、この見方が正しければ、実際にはファイザーとモデルナ製では発症・重症化などの予防効果やその持続性に違いは存在しないことになる。
ただ、米国以外でも、既にイスラエルなど幾つかの国でファイザー製ワクチンの予防効果が時間の経過と共に低下することが報告されている。
また、(冒頭で紹介した)2つの調査結果以外にも、最近発表された複数の論文がモデルナ製ワクチンの優位性を示しているとニューヨーク・タイムズなど主要紙が報じている。
やはり両ワクチンの間には、予防効果や持続性などの点で実質的な違いが存在すると見るのが妥当であるようだ。
https://news.livedoor.com/article/detail/20947978...
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