プリンターから、突如、大量の紙が出てきた。止まらない。
紙には「あなたの会社のデータは盗まれ、暗号化された」という脅迫のメッセージ。
ことし8月、日本国内の企業で実際に発生した、身代金要求型のサイバー攻撃だ。
これ以上、被害を増やさないためにと、その企業が取材に応じてくれた。
いま何が起きているのか。
◆地方の産業を支える企業にサイバー攻撃
東北地方にある中堅の食品加工会社。
ことし8月、システム担当者の男性が、出勤して異変に気づいた。
(システム担当の男性)
「基幹システムが起動できない。どうもアイコンが変わっているちょっと変だぞ」
パソコンの画面をクリックして、ファイルを調べると、取り引きデータのファイルがすべてLockbitというファイル名に書き換えられていた。
クリックしても「問題が発生しました」と表示され、開くことができない。
その直後、複数の部署から、次々と連絡が入った。
「取引などに使用する基幹システムが使えない」
対応に追われていた昼過ぎ、さらに異様な事態が起きた。
突然、プリンターが、大量の印刷物を吐き出し始めたのだ。
「あなたの会社のデータは盗まれ、暗号化された。このままだと闇サイトに公開されることになる」
ハッカー集団からの犯行声明。脅迫のメッセージだった。
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