「ペロブスカイト」世界各地で効率更新。現在は東大がトップ
再生可能エネルギーが新境地に入ろうとしている。日本発の新型太陽電池の研究成果が世界で次々に発表されている。発明から10年もたたないうちに主流の
シリコン系太陽電池に迫るまでに性能が向上しており、将来の太陽光発電産業を背負って立つ“大型新人“となりそうだ。
日本生まれの新しい太陽電池は「ペロブスカイト太陽電池」。「ペロブスカイト」という特殊な結晶構造を持つ太陽電池の総称だ。目新しい構造ではなかったが、
桐蔭横浜大学の宮坂力教授が太陽電池として作動することを見いだした。
宮坂教授は特徴としてまず「光発電の特性に優れる」ことをあげる。太陽光エネルギーを電気に変える変換効率が太陽電池の性能を示す指標だ。数値が高いほど
少ない面積で多くの電力を生み出せる。シリコン系ではセルベースで24%超が量産されている。
宮坂教授が09年に製作したペロブスカイト太陽電池は3%台だった。それが12年に10%を突破すると世界中で研究に火がついた。14年には米カリフォルニア大学
ロサンゼルス校のチームが19・3%の成果を発表。そして15年、韓国化学研究所が20・1%をたたきだし、20%台へ突入した。
そして先日、東京大学先端科学技術研究センターの瀬川浩司教授らが、エネルギー変換効率21・5%と世界最高値を達成した。今後、太陽電池セルの性能向上などを
進め、2020年頃までに同25%超を目指すという。
理論上は30%が可能とされている。実際の製作可能性を考えると25%は十分にいけると見られている。それも「あと1年で25%に届くと言われている」(宮坂教授)
という。研究室レベルではあるがペロブスカイト太陽電池は短期間に半世紀の歴史があるシリコン系と並ぶという驚異的な成長ぶりだ。
「圧倒的な低コストで製造できる」(宮坂教授)のも大きな特徴であり、世界中の研究者を引きつける魅力だ。材料そのものが安い。その材料を基板に塗って製作
できるためシリコン系ほど高温を必要する製造プロセスがなく安価だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151123-00010002-newswit...
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