「熱を発するコンピューターをそのまま水に沈め、冷ます」。
コンピューターと言えば水に弱いというのが、これまでの常識ですが、それを覆すような研究が今、進められ
ています。ポイントになるのが防水性です。どのようにすれば水の侵入を防ぐことができるのか。研究の最前
線を取材しました。
(ネット報道部 副島晋記者)
■コンピューターの敵は熱
東京北区にある国内でも最大規模のデータセンター。企業から業務用のコンピューターを預かり、24時間動
かしています。預かっているコンピューターは、数万台にも上ります。3年前から運用が始まったこの施設で
は、最新鋭の空調機器を使って、企業のコンピューターを冷やし続けています。冷却には一般家庭の3000
世帯ほどの電力が必要で、電気代は年間で1億円を超えるといいます。
このデータセンターを運営するNTTコミュケーションズの瀬尾浩史主査は、「コンピューターは冷却できな
いと熱で止まったり、場合によっては壊れてしまうので、冷却には非常に気を遣っている」と話しています。
■水槽で3か月稼働
コンピューターを水に沈めることができれば、空調施設を使わなくても冷やすことができるのではないか。こ
うした発想で新たな研究に取り組んでいるのが、国立情報学研究所の鯉渕道紘准教授と藤原一毅特任准教授で
す。目指すのは、水に沈めたままでも長時間動き続ける、名付けて「水没コンピューター」です。
鯉渕准教授は「携帯電話の防水サービスを見て、これはコンピューターも同じように防水をすれば、水の中に
沈めることができるのではないかと考えた。空気よりも冷却の効率がいい水を使えば、効果的に冷やすことが
でき、冷却コストを抑えられると思った」と話します。
研究を始めて3年。水道水を入れた水槽の中で、コンピューターを3か月連続で動かし続けることに成功しま
した。カギになったのは、コンピューターの基板に施した「パリレン樹脂」という特殊なコーティングです。
通常、複雑な計算などコンピューターに大きな負荷をかけるとあっという間に温度が上がりますが、水につけ
た状態ならすぐに温度が下がることが確認できました。
以下ソース
■たび重なる失敗の末
■加工には特殊な技術が
■海で耐久性をテスト
■2人が描く将来像は
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_1002.htm...
返信する