一般に、大きな小惑星が地球へ衝突すると生物の多くが絶滅すると考えられています。実際に、6600万年前の
白亜紀末に直径10km程度の小惑星が地球へ衝突し、恐竜など75%以上の動物の種(しゅ)が絶滅したことが
知られています。東北大学大学院理学研究科地学専攻の海保邦夫教授と気象庁気象研究所の大島長主任研究官は、
直径10km程度の小惑星が地球へ衝突した場合でも、このような大量絶滅(*)が常に起きるとは限らず、
その確率は1割程度と低かっただろうという考察を発表しました。また、同じ小惑星でも衝突する場所により、
気温低下がほとんど起きない場合から地球全体の月平均気温が11℃程度低下する場合まであることが分かりました。
これは、6600万年前の小惑星の衝突した場所が少しずれていたら、恐竜などは絶滅せず、中生代の生物の世界が
今も続いていたかもしれないということです。
〈ポイント〉
●堆積岩中の有機物が多い場所に小惑星が衝突し、有機物の燃焼により発生したすすが気候変動を引き起こし、
恐竜などの大量絶滅が起きた。
●衝突場所の有機物量によって、陸上気温や海面水温の低下量は様々。
●堆積岩中の有機物が多い場所は海の縁辺域の狭い領域に限られるため、小惑星が地球に衝突しても、大量絶滅が
起きる確率は低かった。
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP462889_Z01C17A1... オレンジ色の部分に直系9kmの小惑星が衝突した場合に大量絶滅が起きたと推定される。
実際には6600万年前に黒星印の地点(メキシコのユカタン半島)に小惑星が衝突した。
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