2017年12月14日に発売となったApple史上最強スペックの「iMac Pro」は、その値段もさることながら、中に搭載しているチップやメモリなども驚愕のものとなっています。そんなiMac Proは次世代Mac用カスタムシリコンのT2チップを搭載しているのですが、ロジックボード上にはその他に用途不明な謎のチップを搭載していることが明らかになっています。
さまざまなデジタル端末をバラバラに分解することでおなじみのiFixitが、構成次第では最大150万円以上にもなるiMac Proをバラバラに分解しているのですが、分解作業の中で、ロジックボード上に「338S00268」という謎のチップを発見しています。
iFixitは初め、ウワサされていた通りiPhone 7と同じA10 Fusionチップが搭載されているものと考えたそうです。しかし、「338S00268」チップは一辺約7.4mmとA10 Fusionチップよりも小さいため、Appleが独自開発したパワーマネジメント用のICなのではと推測しています。
オレンジ色の枠部分にあるのが用途不明の「338S00268」チップ。赤枠部分にあるのはカスタムシリコンのT2チップで、SMCの他にカメラ、オーディオコントロール、SSDコントローラー、Secure Enclaveの画像信号処理、ハードウェア暗号化エンジンなどを備えています。
iMac Proが発売される前に開発者のSteve Troughton-SmithさんがBridgeOS 2.0を解析した結果、iMac Proは「Hey Siri」と呼びかけることで音声アシスタントのSiriを呼び出す機能をサポートしており、そのためにA10 Fusionチップを搭載するのではと予測しました。近年のApple製カスタムチップがPC用チップ並みの性能を有しているため、近い将来、MacがiOS用のチップを搭載するのではとウワサされていたこともこの予測の信憑性を高めることとなります。
しかし、実際に発売されたところ、iMac Proは「Hey Siri」をサポートしていませんでした。よって、この謎の「338S00268」チップは他の用途のために搭載されたものであることがわかりますが、実際の用途は不明です。
その他、iFixitはiMac Proをバラバラに分解する中で、メモリ(RAM)には標準の288pin DDR4 ECC RAMが使用されていることを発見しており、ここからRAMは拡張可能であると指摘。また、CPUはiMac Pro用のカスタムメイドのものと思われるものの、はんだ付けされていないため、「理論的にはCPUのアップグレードも可能」と記しています。
ただし、GPUはロジックボード上にはんだ付けされており交換不可能になっているとのこと。iFixitは「これは大きな欠点である」としながらも、購入時の構成は賢明に選択するようにとしています。
なお、iMac Proをバラバラに分解したiFixitは、「(iMac Proで)AppleはiMac Retina 5Kディスプレイモデルからモジュール性を捨て去った」としており、電源とロジックボードの接続方法は「iMac Retina 5KディスプレイモデルよりもMac Proで見たものに非常に近い」とのことです。
https://gigazine.net/news/20180103-imac-pro-mystery...
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