最先端のコンピューターでも計算が難しいとされる、100億通りを超える膨大な組み合わせの中から、最も適した答えを求める問題を、光の性質を
利用することで、瞬時に解くことに日本の研究グループが成功し、次世代コンピューターにつながる画期的な計算手法として注目されています。
成功したのは、内閣府が設置した国立情報学研究所や、NTTなどで作る研究グループです。
この手法は現在のコンピューターのように、一つ一つすべてのケースについて数値計算を行うものではなく、光が持つ物理的な性質を利用して答えを
求めようという全く発想が異なるものです。
グループでは全長1キロの光ファイバーの中に、組み合わせを調べたい数だけ、光の粒子を使って一種の磁石を作り出す新たな装置を開発し、「20
00個の点を最もエネルギーを使わずに2つに分ける方法」を解くことに挑戦しました。
この問題では、組み合わせが100億通りを超え、最先端のコンピューターでも計算が難しいとされています。
実験の結果、新たな装置では2000個の点に見立てた磁石が互いに影響し合って向きを変え、最もエネルギーを使わない分け方を示したということ
で、1万分の1秒以下という極めて短い時間で解くことに成功したということです。
グループでは今後、この手法を用いた次世代コンピューターを開発し、膨大な数の化学物質の組み合わせの中から副作用がない医薬品の開発などに応
用したいとしています。
研究グループの代表を務めるスタンフォード大学の山本喜久名誉教授は「現代のコンピューターが不得意な問題を解くうえで非常に有望な計算手法で、
今後、世界の標準になれるのではないかと期待している」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161021/k1001073746...
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