米ルイジアナ州の学生、ネキヤ・ジャクソンさんとカルセア・ジョンソンさんは2022年、高校の数学コンテストのボーナス問題で、2000年の歴史を持つピタゴラスの定理を証明する新しい方法を発見し、教師たちを驚かせた。しかし、それはほんの始まりにすぎなかった。
23年3月にふたりはジョージア州アトランタで開かれた米国数学会の南東部支部会議でこの方法を発表。同会議での最年少の発表者となり、メディアをにぎわせた。
同年、同州の大学に入学したジャクソンさんとジョンソンさんは、当時の証明に加えて9通りの方法を詳述する学術論文を執筆。ふたりの研究は28日、学術誌「アメリカン・マセマティカル・マンスリー」に掲載された。
ピタゴラスは、2500年前の古代ギリシャの哲学者であり数学者だった。本人の名を冠した定理を考えついたのが本人なのか弟子たちなのかは明らかでない。この原理は直角三角形の2辺の長さがわかっていれば、残りの1辺の長さを計算できるというもので、数学の授業の中心をなしている。
長年にわたり多くの数学者は定理の証明に代数と幾何学を用いてきた。対照的にジャクソンさんとジョンソンさんは、三角形の研究に焦点を当てた数学の派生分野である三角法を使った証明に成功した。
三角法は本質的にピタゴラスの定理に依拠しており、三角法を用いて定理を証明することは、数学者が「循環論法」と呼ぶものにあたる。そのため専門家らは、ふたりのアプローチはとりわけ困難だと評した。しかし研究によると、新たな証明は循環的ではない。
ふたりは論文で「私たちが証明に使った定理はどれも、すでにピタゴラスの定理が真実であると仮定していない」と述べている。
英ブリストル大学数学部のトム・マードック名誉教授は、「(この研究の)興味深いところは、多くの人がこれを不可能だと考えていた点だと思う」と話す。
同氏は、三角関数はサインとコサインに基づいており、簡単に循環論法に陥るが、この議論の非常に魅力的な点は、ピタゴラスが真実であると仮定しないサインとコサインを用いた論法を見つけたことだと指摘した。
ジャクソンさんとジョンソンさんの研究では、三角法を使用して定理を証明する五つの新たな方法が概説されており、さらにそれらに基づく5通りを加えた合計10件の証明方法を明らかにしている。23年の会議で発表したものは一つだけだったため、残りの9通りはまったく新しいものであることを意味する。
以下ソース
https://www.cnn.co.jp/fringe/35225506.htm...
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